高校生に生き方を語る

October 9, 2015

 


仙台で中高生向けのキャリア教育をサポートするNPO法人のハーベストから、キャリアセミナーの講師役の機会をいただきました。


社会人が中高生と車座で語る
 

キャリアセミナーとは、このNPOが宮城県内の中学・高校を対象に展開しているセミナーで、聞き手は中高生のみなさんです。


ユニークなのは、多数の講師が一斉に学校を訪れ、生徒さんたちと少人数で車座で語り合うスタイルをとっている点。1学年300人を超える学校だと、講師が30人とか40人で押しかけていきます。


講師役は主に、地元で働いている社会人の方々。職業や世代はもちろん、価値観もバラバラ。事前に配られる講座内容や講師のプロフィールから、生徒さんたちは聞きたい人を選び、2コマや3コマで複数の人の話を聞けます。なので、それぞれの講師が全然違うことを言ってるケースもあります。


世の中ってそういう不整合な多様性で成り立っていて、その分、選べる道も様々なんですよってのが、おぼろげに理解できる仕立てになっています。


自分の生き方、働き方を棚卸する

講師となる社会人は、自分の生き方や働き方をテーマに話をします。


生徒さんたちに講座内容やプロフィールを事前に提示するため、「プロフィールシート」なるものを埋めなければなりません。講座タイトルや内容のほか、「人生を語る一言」「今の自分になれた理由」なども書きます。

 

自分が取り組んでいる分野についての話ならある程度組み立てやすいのですが、自分の生き方や働き方がテーマになると、まぁ、難しい!要は自分自身の棚卸をしないといけない。

 

相手は10代だからわかりやすさが必要だし、フォーマットには字数制限もある。しっかり練らないとまとまりません。自分の言葉に感化されてしまう可能性も大なので、自分が紡ぐ言葉が、本当に自分の心の声なのかも、入念に考えないといけません。

 

でも、これが大事。自分が何者なのかを考えるいい機会になるのです。



距離を感じさせるような「この人すごい!」はいらない

ハーベストが最初にこのセミナーを開いたのは2007年の秋。地元大学のキャンパスで一般向けに行ったもので、100人の講師が講座を開き、私もそのひとりでした。

 

当時は仙台でITベンチャーの取締役。まだ30代前半で、今以上に勢いだけで突っ走っていたときで、30人の仲間の上に立ち、毎月1000万だの2000万だのの売り上げを立てるべく、組織や人の配置をデザインしながら、現場仕事から採用まで一気に手掛け、、、いまじゃとてもそんな恐ろしいことはできません(汗


その後、そのベンチャーを辞め、ハーベストがNPO法人化のタイミングで、スタッフとしてジョインします。

 

事務仕事も組織の中の調整役も一番苦手だったのに、当時はその自覚もなく、事務局長なんて大役をほいほい引き受けてしまったので、在籍時には大変な迷惑をかけてしまったのは、いまでも苦さを覚える経験です。
 

その間も、講師役を務めることがありました。ITベンチャーだったとき、NPOの理事だったとき、目の前で手掛けていることが都度違うので、話す内容もそのときどきで変化します。

 

改めてプロフィールシートと向き合うと、当時より少しは言葉に自分らしさが出せるようになってきたと思います。それは、表現のテクニカルな部分ではなく、8年間に経験したあれこれが、自分の言葉を磨いてくれている結果なんだと思います。

 

ITベンチャーのときは、会社の立場を意識して虚勢めいた「自分、すごいだろー!」みたいな感じだったと思うし、NPOの頃はいろいろどん底で、これまた無理やり自己肯定みたいな感じだったはず。

そのときどきでプロフィールシートに書いた内容に、「ほんとか、これ?」みたいな突っ込みの余地があったように思います。

 

それでも、当時話を聞いてくれた中高生の生徒さんたちは、よく耳を傾けてくれたし、セミナーのあともtwitterで対話を続けた子もいました。

 

あの頃よくいただいた感想は「すごい人だと思った」みたいなのが多かったです。が、それではダメなんです。

 

生徒さんたちには、「こんな生き方があっていいのか」という発見を通じて、彼ら自身が自己を肯定したり、自分の考えや行動に活かせる要素を見出してほしいわけです。

 

なので、「すごいなぁ(でも自分とは別世界だ)」と見上げられても、それは講師が生徒さんたちに自分を認めさせて自己満足にしかつながらない。本来の目的と逆ですね。



時間を経て、改めて自分を見直す

今回、キャリアセミナーの講師をするのは4年ぶりです。最後にやったのは、スタッフも兼ねて参加をした2011年3月11日の大河原商業高校でのキャリアセミナーでした。

 

日付でわかると思いますが、東日本大震災があった日です。キャリアセミナーは午前中に行われ、現地で昼食をとって、仙台へ帰る電車に乗る前に、大河原駅前であの巨大地震に遭遇しました。

 

あの日を境に、自分の環境も動き方もいろいろ変化をしました。それ以来、大学での一般開放のセミナーには2回ほど出させてもらいましたが、高校でのキャリアセミナーは、お誘いいただいたときもお断りをしていました。

 

忙しさもありつつ、いまの時点で自分を語っても、また無理のある自己肯定になるんじゃないかなという疑念もあって。

 

でも、おかげさまでいまの活動や仕事は、全国のいろんな地域や業界から引き合わせをいただけるようになって、忙しさもほんの少しだけ、コントロールできるようになったので、4年半ぶりにチャレンジさせてもらうことにしました。

 

今回お誘いいただいたハーベストのファウンダーの中山さんの口説き文句も、心に刺さるものがあったので、僭越ながら、これは立たねばなるまいと。



異なる世代の若者に等身大で語る

今年の高校1年生は、計算すると1999/2000年生まれ。彼らが生まれたとき、私はもう社会人です。社会人2年目で進研ゼミの教材編集者でした。

 

家庭や職場に急速にインターネットが普及し始めた頃で、物心ついたときはITが身近に存在する世代です。当時の首相は小渕さんで、日経平均株価は1999年12月の終値が18,934円。ゆとり教育がはじまる直前で、オリコンのシングルトップはだんご3兄弟。私が最初にハーベストのセミナーに出たとき、彼らは8歳。
 

そんな世代の彼らに、自分が高校生の頃の話をしても、遠い昔の出来事で、時代としての実感はないでしょう。

 

私が高校生だったのは、彼らが生まれる10年前なわけですから、いわば私が、東京オリンピックの頃の高校生の話を聞かされるようなもんです。

 

自分の価値観を語るのにフィットする言葉をひとつずつ紡ぎ出しながら、等身大の自分に、等身大の彼らがどう反応してくれるか、自分にとっても経験の場とさせていただきます。

関連リンク:NPO法人ハーベスト
 

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