検索
  • Ryo Hara

孫の代まで高齢者として苦労しそうな日本


少子高齢化が叫ばれて久しい日本社会。

いまの高齢者に目がいきがちですが、日本が少子高齢化のピークを迎えたときに、高齢者になっているのはだれか。

それは、私たち第二次ベビーブーム世代と、その下の世代です。

つまりいまの45歳以下の人すべてです。現役世代のみならず、子ども世代も含みます。

冒頭のグラフを見ると、2015年には26.7%だった高齢化率が、2050年には38.8%に上がっています。2050年だと、1975年生まれの人は75歳です。第二次ベビーブーム世代は1971~74年生まれの人を指すので、彼らがすっぽり後期高齢者(=75歳以上の高齢者を指す言葉)に入るのが、2050年です。

高齢化率を計算するときは、65歳以上を高齢者とするので、2050年は、第二次ベビーブーム世代よりさらに10歳下の人たちも、高齢者です。

内閣府の資料によると、さらに50年後の2100年には高齢化率は41.1%に達するそうです。つまり高齢化率は、21世紀前半で伸び続けて、後半は概ね4割くらいで推移し続けることになります。

2100年に65歳になる人は、2035年生まれなので、まだ生まれていません。いまの幼稚園児や小学生くらいの子たちが大人になって出産するのが、おそらくこのくらいの時期でしょうから、まさに孫の代まで、いまよりもずっと少子高齢化が進んだ社会を、高齢者として生きていかねばなりません。

高齢者福祉にコストをかけることを、現役世代の足を引っ張る行為と見立てるなら、その足を最も強く引っ張る世代が、いまの現役世代や子ども世代、そして孫世代の人たちというわけです。

さらに追い打ちをかけるのは、人口減少です。

人口は2100年に5000万人まで落ちる予測なので、社会全体のインフラを支える労働力は、頭数だけで言えば、いまよりもはるかに低水準でしょう。高齢者を支える以前に、自分たちの社会そのものをどう維持するのか、正解の見えない道を歩かねばなりません。

この超少子高齢化と人口減少のダブルパンチを、最初に高齢者として迎え撃つことになるのが、いまの現役世代です。

人口は出生率を上げても、急に回復するものではなさそうです。

人口を維持するための出生率は、日本では2.07と言われているそうです。

日本の出生率が低水準になったのは、1975年に2.0を下回ってからだそうで、そこから実際に日本の総人口が減り始めるまで40年かかっています。これは、出生率が低いまま推移しても、最初の時期は母数となる親世代の人口が多いため、実数で減り始めるまでタイムラグが発生することによります。(人口モメンタムというそうです)

逆に考えれば、出生率が2.07を上回っても、親世代の人口がそもそも少なければ、上昇してもたいしたインパクトにはならず、2世代、3世代と重ねてようやく、実数としての人口が膨らむことになります。

2013年の出生率は1.43で、この数字が急に跳ね上がって2.07になったとしても、すでに前の世代より人口が少ないいまの親世代の数をキープするだけでは、人口ボリュームの大きい上の世代が退場するごとに、総人口は減り続けます。

戦後まもない第一次ベビーブームの頃の出生率が3とか4で、仮にこの非現実的に思われる数字を叩き出したとしても、上昇に向かうまではやはり数十年を見越さねばならず、高齢化率に一定のブレーキをかけつつも、すぐに人口減少を食い止めるには至らないでしょう。

私たちが高齢者となる21世紀後半の社会は、限られた労働力で、高齢者を含む社会全体をどう支えていくのかという難問に立ち向かわねばなりません。21世紀前半は、そこに突入までの備えの時期です。

いまの高齢者をどうするかという問題は、将来の自分たちをどうするかという問題もであり、その子どもたちや、まだ見ぬ孫の世代の老後をどうするかという問題にもつながります。

国際社会はリアリズムの世界でしょうから、国力が衰えた日本は、難問を抱えたまま放置されるか、ただでさえ少ない資源をむしばまれるかという危機を迎えるかもしれません。そうなると、薄氷の上で平和を維持したパワーバランスも崩れるでしょうから、いまの感覚で平和を叫ぶことも、まったくリアリティを欠いた時代になるのやもしれません。

不安ばかり煽っても仕方ないですが、緊張感をもって臨まねばならない時代であることは、肌感覚として覚えておきたいなと思います。

#時流への雑感

0回の閲覧

About HaraChannel

本サイトは、はらりょうの個人サイトです。プロフィールや活動実績のまとめ、およびご依頼やお問い合わせは、TOPページをご覧ください。執筆した記事はnoteからの転載となります。旧ブログは、Blogからご覧いただけます。​

※本サイトの掲載記事は、筆者の個人の見解であり、必ずしも所属する企業や組織の意見を代表するものではありません。

※掲載記事の取り扱いは、出典ほか特別な注記がない限り、CC-BY-SA-3.0のライセンスに従うものとします。ただし、写真・画像はその限りではありません。

  • Facebook
  • Twitter