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情熱とスキマが絶妙に絡み合う「イトナブ」の4年目~「イトナブGrooveDay」で目撃したこと


石巻でIT人材の育成に励む「イトナブ」の年間の活動をお披露目する「イトナブGrooveDay」に参加しました。

これまで「イトナブ発表会」と称していたイベントが、Grooveの名のとおり、高揚感ある場づくりを試みた演出になっていました。

多彩でボリュームある活動のすべてはここでは紹介しきれませんが、いくつか感じたことを、雑感として記しておきたいと思います。

地元の仲間を外で鍛える

今年もイトナブは様々な活動をしてきたそうです。夏の恒例となった石巻ハッカソンのほか、仙台でのアプリ開発体験のイベント開催や海外遠征など、内容的にも地理的にも活動の幅を拡げてきています。

私が少しご縁のきっかけとなったところでは、他地域開催のハッカソンへの武者修行や、岐阜・横須賀で活躍するアプリ開発企業「タイムカプセル」との人材交流があります。

他地域ハッカソンでの武者修行では、仙台での「SPAJAM仙台予選」や、青森の「地域資源×ITマッチングワークショップ」などで、腕を競う場を提供させてもらいました。SPAJAMでは、どのチームより気合いを入れて臨んだものの、惜敗に終わったものの、青森では地元勢に刺激を与える“招待選手”として、3日間でアプリリリースまでこぎつける実力を示しました。

青森で同じく招待選手として岐阜から参戦したタイムカプセルとは、その後、人材交流のプロジェクトが生まれ、デルシオくんが同社の第2の拠点である横須賀オフィスへ。限界集落化した横須賀の空き家を開発拠点としたタイムカプセルの取り組みは、石巻での活動にも、よいヒントになったのではないでしょうか。

イトナブは、メンバーの成長の場を積極的に増やし続けており、他地域への武者修行では、フィッシュくんがアメリカへと飛び出し、現地で腕を磨くほか、仙台の「Global Lab SENDAI」との連携で、同団体がプロジェクトとして関係を強化しているフィンランド・オウル市でも仕掛けづくりに挑もうとしています。

地域で活動を起こしたとき、“地元の人が地元のためだけに地元の中だけで”取り組むと、何かと委縮しがちに感じることがしばしばあります。イトナブは、地元の仲間を積極果敢に外へ放り出すことで、彼らの成長スピードをあげることに成功できているのではないでしょうか。

ひとりひとりの成長がチームの手数を増やす

GrooveDayでは、メンバーひとりひとりが自ら開発したアプリや活動の成果などをプレゼンしました。各々の成長を語る晴れの場です。

成長と言っても、その中身は人それぞれです。新しい技術を身につけたメンバーもいれば、写真や映像での表現力を高めたメンバーもいる。ITのスキルアップに特化するのは自分に向いていないと判断し、チーム内の経理・事務や英語力の向上に努めたメンバーもいれば、大阪に彼女ができたので、大阪で仕事がしたいと叫び、発表の場で仕事を募るメンバーまで。

自分たちが伸ばしたいところを自由に伸ばす。組織の目標にコミットするために、組織・上司の管理に従って、必要なスキルを伸ばすという一般的な企業とは、明らかに一線を画す、この自由さ。

人の成長に本気で関わろうとしたとき、その人の内面から沸き上がった情熱をどう昇華させるかを優先的に考えれば、このイトナブのスタイルは、なかなかの威力を発揮するものだと思います。

ここまで個人のピュアな欲求に応えられる組織は、なかなかないでしょうし、そこに代表の古山さんの、一見、天真爛漫、しかし実はしたたかな人たらしぶりが見え隠れします。

私の知り合いで、IT界隈の“東西二大人たらし”は、西がフィラメント角さん、東がイトナブ古山さんなのですが、ふたりとも絡んだ相手にメリットと心地よさをもたらしてくれるので、かえって打算抜きでつきあい続けたい仲間でもあります。

閑話休題。

ひとりひとりの発表を聞いて印象に残ったのは、こうした各自の好き勝手な成長が、イトナブというチームの手数を増やし、組織としてのパワーを増していくのだろうなと。

「IT技術者を1000人輩出する」というイトナブの大目標を越え、映像、デザインなど、さまざまなクリエイターが自発的に育つことで、制作集団として生み出せるものの幅は格段にあがっていくでしょう。

管理業務や語学のスキルアップに専心するメンバーの存在は、チームに着実な利益を残すために不可欠な存在となるでしょう。

任意団体でスタートしたこの集団は、一般社団法人となり、今年は株式会社も設立しました。

普通、会社を経営するのであれば、そうした人材は、できあがった人を求めます。現場の業務で経験をつけさせることはあっても、どの職種も全員スキルゼロから一斉にスタートなんてしないでしょう。

通常の仕事を果実を摘む作業ととらえたら、イトナブは何もない土地で、耕すどころか石ころを取り除く作業からはじめているわけです。

まぁ、気の長い話です。しかし、あえてそこから挑むときに、人の成長をどうスピードアップさせるかと考えたら、イトナブのユニークな挑戦は、次を見たくなるし、おせっかいを焼きたくなる人が多いのもうなずけます。

今年の発表を見ていると、土に鍬を入れて養分がいきわたる状況が見えてきた。そんな風に感じた人もいたのではないでしょうか。

地域の若者と循環を生む

イトナブは、地域の子どもや若者にも、ITに触れる機会を次々と繰り出します。小学生から高校生、大学生まで、石巻ハッカソンでハンズオンをすることもあれば、地元の大型小売店でアプリ開発教室を開いてみたり、学校で教えることも。

イトナブGrooveDayでは、そんな彼らも自分たちの作品を発表します。

3年前、はじめて開催した石巻ハッカソンでアプリ開発に触れた石巻工業高校の生徒さんたちは、いまではイトナブの貴重なスタッフです。彼らが後輩たちに教えることでまわりはじめた成長の循環は、さらに大きな環になってきたように感じます。

発表した方々の声を聞くと「もっとこうしたい」「後輩にも教えたい」という熱意が伝わってきます。この熱気が、イトナブのメンバー以外の地元の若者たちにも内燃化してきたなというのが、今年の発表で強く感じたことです。

おせっかいの余地を残すスキマと情熱

イトナブはいろいろと不完全です。イベント運営もライブ感たっぷりで、その場対応の連続。普通は、外から関わる人や組織は、そこで離れてしまいます。しかし、イトナブのメンバーは、情熱をもって取り組んでいるし、何より、誰よりも楽しそうです。

この熱意と楽しさがひしひしと伝わってくるので、イトナブが不完全なところを、何とか自分の出番で埋めてやろうというおせっかい焼きが、後を絶ちません。古山さんの「あなたもイトナブです!」という言葉に、いつの間にか心地よさを覚え、関わり続けねば!という、わけのわからない使命感が芽生えます。

そして、じわじわとメンバーの成長が見えてきて、なんとなくこちらにも達成感めいたものが沸き上がってくる。あれ?いろいろ差し出してたつもりが、こっちが受け取る側だったのか?と。

アプリ開発の指導にずっと関わり続けている高橋さんをはじめ、今年の会場にはイトナブにCoronaSDKという武器を授けたアンバサダーの小野さんや東北TECH道場に尽力する出張さんの姿もありました。

のみならず、会場の装飾には「ダンボルギーニ」で世間を沸かせる今野梱包の強化段ボールが使われ、オープンニングには吉本芸人のダイノジがライブを行い、夜の交流会では、東京からやってきた有名マジシャンがマジックショーを繰り広げる。

さらに会場にはだれが差し入れたのか、コーヒーが切れたあとのソフトドリンクコーナーに、地酒が2本。

みんなどんだけおせっかいなんだよと。

巻き込まれる楽しさを知る人が、それだけ増えたんでしょうね。

この楽しさを、私の地元大森で展開されている石巻マルシェでも体現してみたい。おせっかいの環をもっと大きく、楽しく。イトナブとの関わりのテーマに掲げて、来年2016年の目標にしたいと思います。

#地域ITの場づくり

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